ファースト・ティーチャーの重要性について
今回は、「ピアノの教室」というお仕事について私の考察を述べてみたいと思います。
小さなお子様にとっての、特に初めてピアノを習う先生という立場の重要性。。。これは本当にひしひしと重く受け止めなければならないと思います。 まだピアノを弾いたことが無い小さなお子様に、どういう切り口で、どういう手法で、楽しく音楽に触れ、感性豊かで健やかな成長をお助けするのか。。
本当に責任重大ですね。
ピアノのお教室を探されている親御様の中には、「じっと座ってられないし、、、」や「練習しないし、、、」とか、「他の生徒さん達とはレベルが違いすぎて、、、」などと、ついついネガティヴなレッテルをご自身のお子様に貼って決めつけてしまい、ご入会を躊躇う方もおられるというのは事実です。
私のところに来てくれている生徒さんの中には、コンクールなどに参加するタイプの生徒さんもおられますが、全く趣味で楽しんでいる方々もおられますし、ご家庭での練習があまり確保できないという方もおられます。
ですが、私にとっては一人一人のレッスンがまさに「あっという間」のアウトプットな時間です。
目の前に座っているお子様の表情や反応を見て臨機応変に、、というやり方ですので一人一人のレッスンは弾いている曲や持っている本が同じでも、教え方は同じでは無いのです。
肝心なのは、豊富なインプットを得て、色々な引き出しをどれだけ持ってレッスンに臨むのか。
午後から始まるレッスンの時間までにどれだけの準備ができるか。ということに尽きますね。
レッスン以外の時間の私の過ごし方は、、 もちろん毎日弾く(当たり前ですが)! 自分自身の取り組んでいる曲(エチュードの復習・ハノンから定期的な演奏会のための曲等)と、現在生徒さん達に教えている最中の曲を指導案を練りながら弾いておく、そしてこれから渡そうかな〜と思う曲を生徒さんの顔を思い浮かべながら、その子の手の大きさや出来ることのレベルに見合った曲探し等々。。。 楽譜に埋もれながら数時間、気が付いたら過ぎているという(何とも幸せな)時間を、私と同じように多くの先生方は過ごしていらっしゃるのではないかと思います。
そして、定期的にレッスンを受けに通い、またセミナー等を聴講したり、先生間でのオンラインミーティングに参加したりという時間を持つことも貴重な時間です。
そういうミーティング等の中には、「じっとしてられない子」に対してのプロフェッショナルな教え方、またご本人や親御さんでも気付いていないポテンシャルをどうやって見つけて、伸ばすことができるか、などについてのディスカッションもありますし、どうすれば興味の矛先を30分繋いであげれるのかということを日々研鑽している先生方はたくさんおられます。
実際に私の生徒様の中にも、未就学の時は30分もじっと座れなかったという方が今では小学校の音楽発表でピアノ伴奏をするまでになったというケースや、マイペースでじっくりゆっくりだんだん弾けるようになった方々も多数おられます。
立派に発表会で弾いてくださったときには、親御さんと一緒に感無量になったりします。
初めてお子様が習われる「ピアノのお教室」を探される時には、是非レッスン以外の時間に音楽家としての自己研鑽を続けていらっしゃる先生、そして指導法の研究にご尽力されている先生を見つけていただきたいものです。
ピアノに通い続けても一向に音符が読めるようにならない。。とか、取り組んでいる楽曲の時代背景や作曲家のことを何も知らないまま、何と無く弾いてる。。というようなことにならないようにしてあげたいものですね。
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